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館シリーズはどの順番で読むか。綾辻行人の9作を刊行順に並べる

2026年11月7日 ・ めっぽ ・ 約4分

本格

書店のミステリーの棚で、綾辻行人の「〇〇館の殺人」が何冊も並んでいるのを見たことがあると思います。 背表紙に番号は振られていません。 『時計館』は上下巻、『暗黒館』は文庫で4冊あり、同じ書名の本が何冊も並んでいます。 どれが1作目で、どこまでが一続きなのか、棚の前で迷うのは無理もありません。

結論から書きます。迷ったら、刊行順に『十角館の殺人』から読むのが無難です。 この記事では、版元の講談社が紹介文に書いている番号と、初めて本になった年月を使って9作を並べます。 そのうえで、なぜ刊行順がいいのか、途中から入ってもいいのかを整理します。

9作を刊行順に並べる

講談社の紹介文には、いくつかの作品に「第2弾」「第3作」のような番号が書かれています。 番号のない作品は、初めて本になった年月(初刊)から順番を数えました。

順 書名 初刊 文庫の冊数 講談社の紹介にある番号
1 十角館の殺人 1987年9月 1冊 (記載なし)
2 水車館の殺人 1988年2月 1冊 第2弾
3 迷路館の殺人 1988年9月 1冊 第3作
4 人形館の殺人 1989年4月 1冊 第4の「館」
5 時計館の殺人 1991年9月 上下2冊 (記載なし)
6 黒猫館の殺人 1992年4月 1冊 (記載なし)
7 暗黒館の殺人 2004年9月 4冊 (記載なし)
8 びっくり館の殺人 2006年3月 1冊 第8弾
9 奇面館の殺人 2012年1月 上下2冊 9作め

1作目から6作目までは、5年足らずのあいだに続けて出ています。 そのあと12年あまり空いて『暗黒館』が出て、『びっくり館』『奇面館』と続きます。 『奇面館』が9作めであることは、講談社の著者紹介に書かれています。

『十角館の殺人 <新装改訂版>』の書影十角館の殺人 <新装改訂版>綾辻行人『水車館の殺人 <新装改訂版>』の書影水車館の殺人 <新装改訂版>綾辻行人『迷路館の殺人<新装改訂版>』の書影迷路館の殺人<新装改訂版>綾辻行人『人形館の殺人 <新装改訂版>』の書影人形館の殺人 <新装改訂版>綾辻行人

1作目から6作目には、文庫の「新装改訂版」があります。 いずれも、以前の文庫版を全面的に改訂したものだと講談社は案内しています。 棚に同じ書名の文庫が2種類あったら、新装改訂版のほうが新しい版です。

刊行順を勧める理由

当サイトの作品ページでは、『十角館の殺人』をはじめ各作を「単独で完結」としています。 1冊の中で事件は起きて、片付きます。 それでも刊行順を勧めるのは、シリーズをまたいで出てくる人物がいるからです。

講談社の紹介文を並べると、それが分かります。 『人形館』では、主人公が旧友の島田潔に助けを求めます。 『黒猫館』と『奇面館』の紹介には、推理作家の鹿谷門実の名前があります。 『時計館』で館を訪れる江南孝明は、紹介文の中で「角島・十角館の惨劇を知る」人物とされています。

最後の一文は大事です。 『時計館』は、『十角館』の出来事を知っている人物の目を通して始まる、と版元自身が書いているわけです。 『時計館』を先に読んでも筋は追えるはずですが、『十角館』の事件を知らないまま読むことになります。 後の巻を先に開くと、前の巻の出来事に触れた一文に行き当たるかもしれません。 シリーズの1作目を、何も知らない状態で読める機会は一度きりです。

『時計館の殺人<新装改訂版>(上)』の書影
時計館の殺人<新装改訂版>(上)綾辻行人 ・ 講談社 ・ 本格『時計館の殺人<新装改訂版>(上)』の感想・評価Amazon楽天ブックス

なお『時計館の殺人』は、著者が1992年に日本推理作家協会賞を受けた作品だと、講談社の著者紹介にあります。 評判の高い作品から入りたくなる気持ちは分かりますが、5作目まで待つ価値はあると考えます。

途中から入るときの注意

それでも、手元にある1冊から始めたい人もいるはずです。 そのときに気をつけたいのは、順番よりも冊数です。

『時計館』と『奇面館』は文庫で上下巻、『暗黒館』は文庫で4冊に分かれています。 講談社の案内によると、『暗黒館』はもともと2004年に上下巻で出た作品で、文庫化のときに四分冊にしました。 当サイトは巻ごとに作品ページを作っているので、『時計館の殺人(下)』や『暗黒館の殺人(四)』は「前作必須」になっています。 古本屋や図書館で途中の巻だけを見つけたら、1巻目から探してください。

『びっくり館の殺人』は、少し事情が違います。 初刊は2006年3月で、講談社の叢書「ミステリーランド」のために書き下ろされた作品です。 その後、2008年に講談社ノベルスで出て、文庫になりました。 文庫は1冊で、当サイトの作品ページでは読む時間の目安を210分としています。 シリーズの中では短いほうです。 ただ、8作目という位置は変わりません。

長い作品を読み切る準備については、上下巻の長編ミステリーを最後まで読み切るために、読む前に見ておくことにまとめました。 シリーズの途中の巻から読むときの考え方は、シリーズものは途中の巻から読んでも大丈夫かでも書いています。

まとめ

  • 迷ったら刊行順に、1作目の『十角館の殺人』から9作目の『奇面館の殺人』まで
  • 1作目から6作目には、文庫の新装改訂版がある
  • 各作は1冊の中で事件が片付くが、島田潔、鹿谷門実、江南孝明といった人物が作品をまたいで出てくる
  • 『時計館』『奇面館』は上下巻、『暗黒館』は4冊。途中の巻から開かない

講談社の著者紹介では、著者は『十角館の殺人』でデビューし、「新本格ミステリ」ムーヴメントの嚆矢(こうし)になったとされています。 その言葉の意味は本格と新本格は何が違うのかで書きました。 同じ論理で解く型の作品をほかにも探したい人は、本格ミステリーの一覧を見てください。

出典

この記事は下調べと文章の作成に生成AIを使い、めっぽが確認して公開しています。事実は公開されている情報で裏付けを取っています。 作品の評価・感想は、実際に読んだうえで作品ページに書いています。

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