加賀恭一郎シリーズはどの順番で読むか
東野圭吾の加賀恭一郎シリーズを読もうとして、書店の棚の前で止まった人は多いと思います。 文庫が十数冊並んでいて、背表紙には巻数が書いていない。 映像化された『新参者』から入っていいのか、それとも最初から読まないと分からないのか。
結論から書きます。本編には版元が番号を振っているので、迷ったらその順で読めば間違いありません。 そのうえで、途中から入りたい人のために「ここだけは入れ替えないほうがいい」並びを1つ挙げます。
版元が付けている番号がある
講談社はシリーズ本編の10作に、「加賀恭一郎、第1の事件」から「第10の事件」までの番号を付けて紹介しています。 刊行順を自分で調べなくても、この番号がそのまま読む順番の目安になります。
| 番号 | 書名 | 版元の紹介から分かること |
|---|---|---|
| 第1 | 卒業 | 加賀は大学生。1986年刊行、著者のデビュー2作目 |
| 第2 | 眠りの森 | ここから刑事。紹介文では「青年刑事」 |
| 第3 | 悪意 | 動機を追う「ホワイダニット」と紹介されている |
| 第4 | どちらかが彼女を殺した | 容疑者は2人 |
| 第5 | 私が彼を殺した | 容疑者は3人。「読者への挑戦状」とある |
| 第6 | 嘘をもうひとつだけ | 過ちを隠す人間たちを描く |
| 第7 | 赤い指 | 「家族」の物語と紹介されている |
| 第8 | 新参者 | 日本橋に着任したばかりの加賀 |
| 第9 | 麒麟の翼 | 事件の現場は日本橋の橋の上 |
| 第10 | 祈りの幕が下りる時 | 「シリーズ最大の謎が決着する」 |
講談社の特集によると、加賀は『卒業』では学生で、『眠りの森』以降は刑事として 警視庁捜査一課、練馬署、日本橋署と所属を変えていきます。 つまりこのシリーズは、1冊ごとに事件が起きて解決する形でありながら、 加賀という人物の経歴は番号順に進んでいく作りです。
卒業
眠りの森
赤い指途中から入るなら、ここだけは崩さない
番号順が基本とはいえ、10冊を最初から追うのは気が重い、という人もいるはずです。 映像で知っている『新参者』から始めたい、という人も多いでしょう。
途中から入ること自体は、それほど心配しなくていいと考えています。 各作品は版元の紹介を見るかぎり、それぞれ別の事件を扱っているからです。
ただし、第8『新参者』→第9『麒麟の翼』→第10『祈りの幕が下りる時』の並びは入れ替えないほうがいい、というのが当サイトの考えです。 理由は、版元自身が第10作を「加賀恭一郎は、なぜ『新参者』になったのか」という問いで紹介しているからです。 この問いは、『新参者』で日本橋に来た加賀を知っていて初めて意味を持ちます。 先に第10作を読むと、その問いが問いとして立ち上がる前に答えを受け取ることになります。
新参者
麒麟の翼好みで入り口を選ぶなら
番号どおりでなく、自分の好みに合いそうな一冊から入りたい人もいると思います。 その場合は、版元の紹介文に書かれている言葉を手がかりにするのが確実です。 ここでは内容の評価ではなく、紹介のされ方で分けます。
- 手がかりから犯人を絞りたい人:第4『どちらかが彼女を殺した』(容疑者2人)、第5『私が彼を殺した』(容疑者3人、「読者への挑戦状」)。謎解きの比重が高いと紹介されている二冊です。当サイトの本格の区分に近い読み方ができそうです
- 「なぜ殺したのか」に関心がある人:第3『悪意』。紹介文でホワイダニット、つまり動機の謎が中心だと示されています
- 家族や人の情を描く話が読みたい人:第7『赤い指』、第8『新参者』。前者は「家族」の物語、後者は「人情という名の謎」と紹介されています
刑事が主人公の小説として探したい人は、当サイトの警察小説の一覧もあわせて見てください。
第10作のあとに出た3作
三省堂書店の特集によると、シリーズは『祈りの幕が下りる時』でいったん完結し、 そのあとに続編・スピンオフとして3作が発表されています。
- 希望の糸:文庫版の紹介では、加賀と松宮が捜査する事件。紹介文には東野圭吾の「家族」の物語とあります
- あなたが誰かを殺した:別荘地の連続殺人に、長期休暇中の加賀が現れる話。文庫が2026年8月12日に出たばかりです
- 誰かが私を殺した:Audibleのオリジナル作品として2024年7月から配信されている、音声の作品です
この3作は、第10作まで読み終えてから手に取るのが自然です。 版元が第10作を「シリーズ最大の謎が決着する」一冊と紹介している以上、そのあとの作品は決着を経た加賀の話になるからです。 文庫の『あなたが誰かを殺した』は、2026年8月の新刊一覧にも載せています。

まとめ
- 本編10作は、講談社が付けている「第1の事件」〜「第10の事件」の番号順に読めば迷わない
- 途中から入るのは構わないが、第8『新参者』・第9『麒麟の翼』・第10『祈りの幕が下りる時』の三冊は番号順を守る
- 第10作のあとに出た『希望の糸』『あなたが誰かを殺した』『誰かが私を殺した』は、本編を読み終えてから
どれから読むか迷って結局どれも読まない、というのがいちばんもったいない。 番号の小さい『卒業』を一冊買って帰る、それで十分な始め方です。
出典
- 本編10作の「第1の事件」〜「第10の事件」の番号、『卒業』が1986年刊行のデビュー2作目であること、学生から刑事への立場の変化と所属(警視庁捜査一課・練馬署・日本橋署)、各作の版元紹介文、累計1000万部(2016年時点):https://news.kodansha.co.jp/books/20160915_b01
- 『祈りの幕が下りる時』の紹介文(「なぜ新参者になったのか」「シリーズ最大の謎が決着する」)と吉川英治文学賞受賞:https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000212468
- 『新参者』の紹介文(日本橋・着任したばかりの刑事・九つの謎):https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000185541
- 『希望の糸』文庫の紹介文(加賀と松宮が捜査する):https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000367901
- 『あなたが誰かを殺した』の紹介文(長期休暇中の刑事・加賀恭一郎):https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000374896
- 本編が『祈りの幕が下りる時』で一旦完結し、その後に『希望の糸』『あなたが誰かを殺した』『誰かが私を殺した』(Audible、2024年7月配信)が出たこと、『あなたが誰かを殺した』文庫が2026年8月12日発売:https://tsunagaru.books-sanseido.co.jp/colorfulshelf/keigo_higasino_kaga_kyoichiro_2026/
この記事は下調べと文章の作成に生成AIを使い、めっぽが確認して公開しています。事実は公開されている情報で裏付けを取っています。 作品の評価・感想は、実際に読んだうえで作品ページに書いています。